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2019年04月09日(火)

豆知識

春に多い犬の健康トラブルを『ハーブ』でケアする方法

冬から春に切り替わる時期は、人も動物も、体の中で激変する環境にあわせるための大きな変化が起こっています。

そこで注目なのが、サプリメントの中でも効果的な「メディカルハーブ」を使ったケア。

メディカルハーブとは、現代の医薬品の元になる成分を含んだハーブ。薬とは違って成分が濃縮されていないため、身体に穏やかに働き、自然治癒力をゆっくり高めながら健康を保てるので、ぜひ活用したいサプリメントです。

今回は犬と猫のメディカルハーブケアについて学べる「ホリスティックケア・カウンセラー養成講座」の担当講師、金田俊介先生に「春によくみられる犬の健康トラブルへのハーブケア」を教えていただきました。実は受講生向けに「学習サポート情報」として配信した記事なのですが、皆さんにもご紹介させていただきます。ぜひご参考くださいね。

 

換毛期に起こる皮膚のトラブル

ダブルコートの犬は春になると夏毛に生え変わる換毛期を迎えます。暑くなる夏に備えて少しでも快適に過ごせるようにする素晴らしいシステムなのですが、抜け毛が通常よりもかなり多いため、毛玉になったりすると細菌やカビが繁殖しやすくなり皮膚炎を起こしてしまうこともあります。また抜け毛と一緒にフケが出る子もいます。フケも皮膚炎を引き起こす原因になることがあるので注意が必要です。

■ご家庭での予防法
ブラッシングなどのケアをしてあげることで換毛をスムーズに行わせることができます。できるだけ毎日してあげてほしいのですが、強くやりすぎるとかえって皮膚に負担をかけたり、ブラッシングそのものを嫌がるようになったりするかもしれません。皮膚や被毛をいためないブラシを使い、コミュニケーションを取りながらブラッシングをしましょう。
シャンプーも抜け毛をとるのにはいい手段ですが、この時期は皮膚も敏感になっていることが多いため、できるだけ刺激の少ないシャンプーにして、頻度も多くなり過ぎないように気を付けましょう。
室内飼いの場合は1年中抜け変わりがあるとも言われますが、それでも少なからず季節の影響は受けるので、皮膚トラブルには気を付けてあげましょう。

■おすすめのハーブ
皮膚のトラブルは老廃物や毒素の排出がうまくいかない時に起こると考え、デトックスハーブを選ぶハーバリストが多いようです。さらに、西洋医学的アプローチですが細菌や真菌の繁殖を抑えるハーブをデトックスハーブに加えるのもおすすめです。

◇バードック
欧米だけでなく中国伝統医学でもデトックス(解毒)のハーブとして肝臓や皮膚の疾患に使われてきました。抗菌作用に加え抗炎症作用も皮膚炎に作用しているものと考えられます。

◇ダンデライオン
根が肝臓や胆のうに働きかけることでデトックス効果を生み出すと考えられています。葉も利尿作用や消化促進作用などを持つため、全草を利用したいハーブです。

◇パウダルコ
樹皮に含まれる成分が抗菌作用、抗真菌作用にすぐれており、免疫調節作用も持ちます。

◇オリーブリーフ
幅広い抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用を持ち、様々な感染に対して使います。

 

アレルギーケア

春になると私たちを悩ませるのが花粉症。実は犬たちも花粉によるアレルギーに苦しむケースがあります。犬の花粉症の場合は皮膚に症状が出ることが多いようですが、私たち同様に鼻炎の症状が出ることもあるようです。ただ、アレルギー全般の原因としてもっとも多いのはハウスダストです。

■ご家庭での予防法
アレルギー対策の基本は、原因物質(アレルゲン)を避けることです。例えば花粉症の子だったらできるだけ花粉に触れさせないことが大切です。とは言えお散歩の時間はもっと大切なので、花粉の飛散が少ない時間帯(朝や夜)を選ぶのもいいかもしれません。また、外出時だけは服を着せたり、散歩が終わったらブラッシングをして花粉を落としてから家の中に入ったりするのも効果的でしょう。室外飼育の場合、この時期は家の中に入れてあげることを考えてもいいかもしれませんね。
ハウスダストのケースも同様に、可能な限りアレルゲンの暴露を減らすのが大切です。こまめに部屋の掃除をしてあげましょう。

■おすすめのハーブ
抗炎症作用にすぐれたハーブがアレルギーの症状を抑えてくれます。また、上記の皮膚トラブル同様、デトックスハーブを加えてあげましょう。

◇アイブライト
「眼病の万能薬」として欧米では昔から使用されてきました。研究により抗炎症作用、抗菌作用、抗真菌作用をもつことが確認されています。アレルギーによる目のかゆみや炎症、ちょっとした細菌感染などに使用します。

◇ネトル
ネトルの葉は炎症性疾患に使用します。研究により炎症を抑えるメカニズムも明らかにされつつあります。花粉やハウスダストなどによる各種アレルギー症状、とくにアレルギー性鼻炎に使用されます。

◇リコリス
すぐれた抗炎症のハーブです。他のハーブを補い、全体的に抗炎症作用を発揮します。

◇バードック
デトックスハーブとして知られるバードックは、毒素を排出することで湿疹や慢性炎症などに対抗すると考えられています。

春は予防薬の季節です

暖かくなってきたら蚊やノミ、ダニなど虫たちも活動的になり始めます。ここで怖いのは虫が媒介する寄生虫や細菌、ウイルスです。お住まいの地域の特性やワンちゃんごとの状態に合った予防法などあるでしょうし、また、副作用が気になる方もいらっしゃるかもしれません。うちの子にあった予防法は何か、副作用はないのかなど、かかりつけ獣医師に相談しながら進めましょう。

■おすすめのハーブ
予防薬に代わるようなハーブはありません。ただ、投薬による肝臓の負担を軽減するようなハーブを飲ませてあげることはできます。

◇マリアアザミ
肝硬変や慢性肝炎をも含めた肝機能障害全般に使います。また、抗炎症作用、抗酸化作用があり、ダメージを受けた肝臓の機能回復にも役立ちます。投薬による肝臓の負担を軽減するのにもつかわれます。

◇ダンデライオン
肝臓や胆のうの保護、機能補助に使われるハーブです。マリアアザミとの組み合わせでより肝臓に対して効果的になると考えられます。


ホリスティックケア・カウンセラー養成講座では、犬と猫へのメディカルハーブの種類、効用、活用法を詳しく学べます。

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