受講生の声Voice
久保 由香さん
「犬の気持ちを考えるお店」として飼い主さんの期待に応えたい
久保さんは、兵庫県西脇市で「ドッグケアサロン リアン」を経営。トリマーとして美容サービスはもちろん、アパレル商品やペットフードの販売、店内のスペースを活かしたセミナーまで1人でこなしています。
1対1のプライベートマッサージレッスンの他、爪切りやブラッシング、ワークショップなどの1DAYレッスンも開催。飼い主の方がおうちで愛犬のためにしてあげられることをレクチャーしています。
そんな久保さんは2020年1月にホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。今のお仕事を始めたきっかけや資格取得の理由などをお伺いしました。
トリマーとしての「芯」ができたセミナーとの出会い
小学生の頃から犬と暮らしていて、自然と将来は犬と関わる仕事に就きたいと考えていました。中でもトリマーの仕事への憧れは、早くから抱いていましたね。
専門学校でトリマーのスキルを学び、卒業後すぐ大阪のペットサロンで働き始めました。ところが、しばらくして腰を痛めてしまい、立ち仕事の多いトリマーの仕事を一時断念せざるを得ない状況に。
その後、母校である専門学校で事務的な仕事をしながら、東京で開催されていた松江香史子さんのバランス・ドッグマッサージセラピスト養成講座に通いはじめました。ドッグマッサージに関心があったというのはもちろんですが、今後の自分の進むべき道を模索するためでもありました。
ここで学んだマッサージやTタッチは、その技法だけでなく「犬の気持ちを尊重する姿勢」を学ぶことができるものでした。その頃のペットサロンといえば、まだそんな考え方が普及しておらず、犬の扱いも粗いものがありました。時に押さえつけることがあったり、ストレスへの配慮などもない状態。それに疑問を抱いていた自分でしたが、ここにきて「犬主体で考えること」をトリマーとしての芯にしたいと考えるようになりました。
飼い主の方と話す時間をしっかり持てるお店に
そんな時期を経て私は結婚、出産。しばらくトリマーとしてのブランクが続いていましたが、東京で通っていたバランス・ドッグマッサージセミナーのインストラクター養成講座が近くで開催されていたことから、その資格を取得。子育てが落ち着いた頃に地元のペットサロンで働きはじめました。そのサロンがほどなくして閉店となり、気持ちも環境も機が熟していた私は、自分のお店をオープンすることに決めたのです。
現在、開業してまだ数ヶ月。子どもたちは9歳と5歳で、まだまだバタバタな子育てとの両立ですが、とても充実しています。
「犬主体で考える、優しいトリミング」という考え方を理解して来てくださる飼い主の方が多く、また1日2-3頭の予約に限らせていただき、1人1人としっかりお話できる時間をとっています。これまで経験したサロン勤務では、カットに忙しくそんな時間は取れなかったのですが、今は飼い主の方から本当にいろんな質問をいただきます。お話しする内容は、愛犬の生活環境から、犬という動物そのものに関することまで。お話している間、犬たちはサロン内のスペースでゆったり遊んでいます。その光景もまた、幸せなひとときです。
「犬のプロ」として頼ってくださるお客様に応えたい
ただ、課題もあります。1人でお店をしていると、飼い主の方から「犬のことは何でも知っているプロ」として頼っていただいていることを実感します。お客様とお話ができるようになった分、1頭1頭に合わせたアドバイスが必要なのですが、フード、しつけ、生態…その子のことをたくさん知る必要があるとともに、美容以外の知識の必要性を痛感させられる毎日です。私のお店近辺ではドッグトレーナーさんも少ないですし、獣医師さんにはごはんやしつけのことは聞きづらいと考えている方が多いのかもしれません。
ホリスティックケア・カウンセラー養成講座の受講は、そんな課題解決のための1つの方法でした。
ハーブやアロマは、松江先生のマッサージセミナーでも少し登場していたため興味があり、一度きちんと学びたいと思っていたことや、「犬を全体で見る」というホリスティックの考え方への共感もあったため受講しました。
講座の知識は仕事で活かしています。季節の変化にあわせてなるべく自然のものを与えたいという人が多いため、手作りごはんやハーブなど、アドバイスに活かしています。1dayレッスンにも取り入れていけたらいいなと考えています。
今考えているのは、レッスンを通して知り合った犬好きの飼い主さん同士が集まり、話し合えるようなお店にすること。同じ地域に住む人同士のネットワークを作れたらいいなと思っています。